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Goodbye, Henry!

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花粉症の季節も始まり、春真っ盛りのNZ。まわりのファームではあちこちでかわいらしい子羊が飛び跳ねている。去年にならって、今年もお隣のファームから生まれたばかり(1~3日位)の子羊を3頭貰った。親から引き離すわけではない。双子や三つ子で、親に見捨てられているか、親が何らかの理由で育てられない子羊を貰うのだ。「新生児」なので、粉ミルクを作り、温めてから授乳だ。子供たちは目を輝かせ、多少興奮気味に昨夜今シーズンはじめての授乳に挑戦。
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一頭、ほとんど何も飲まなかった羊がいた。ケンが「ヘンリー」と命名したばかりの雄羊。そういえば、到着時から全然元気がなかった。じっとうずくまるばかりで。

一晩経った今朝、さらに衰弱した様子で、ぶるぶる振るえ、もう頭も上げられない状態だった。私たちは湯たんぽだのバスタオルだので暖かくしてあげて、少しでもミルクを飲んでくれないかとトライしてみる。もちろんプロポリスも与えた。

しばらくして、私がチェックしに行った。まだ息があってホッとしたが、ぐったりとしている。身体はあたたかい。少しでも飲んでくれれば元気が出てくるだろうにと、頭を支えてあげて少しだけミルクを飲ませた。ちょっとでも飲み込んでいるようなので、とりあえず安心、と思ったのもつかの間。

急にあくびのような仕草をしたと思ったら、くたっと息絶えてしまった!あまりの突然な出来事に、私はしばらく信じられなかった。もしかしたら、気を失っているだけなのかもしれないと思ったりした。でも、ヘンリーの小さな目はもう2度と開かなかった。

こういうことは、大ファームでは日常茶飯事だ。何千頭もいるのだから、毎日必ずと言っていいほど子羊が息絶える。我が家の前の道を、毎日そういう子羊を山積みにして載せたトラックが過ぎていく。でも、昨日お隣さんが、「もし死んじゃったのがいたらまたすぐあげるからね。」と言ってくれた時には、まさかそんなことになるとは夢にも思わなかった。

ケンがかわいそう。「ケンのヘンリー」だったから。でもまだ、来たばかりで情が移っていなかったからその点はましだった。もっとちゃんと写真を撮っておけばよかったが、上の写真が唯一のヘンリーの写真。(昨夜パパが撮った。)
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残った2頭は、昨日今朝とあまり元気がなかったが、お昼になってやっとミルクも一羊前飲み、午後は子供たちと遊んだ。新しい環境に慣れてくれたようだ。でも、最初の一週間は油断できない。人間の赤ちゃんも、最初の数週間は大変だものね。
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ソーちゃん(7)とジェームス。ジェームスが一番身体も大きくて元気そうだ。ちなみにセイナの羊はエナというちっちゃな雌羊。2頭とも、去年のサムとベスのようにすくすくと育ってくれればいいのだが・・・
by nzbee | 2005-08-30 20:56 | ニュージーランド文化
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